公益財団法人 日本サッカー協会 原博実 専務理事兼技術委員長 会見コメント

まず最初に今の日本サッカー界において一番課題である19歳~22歳の年代をどうやって鍛えるかということをここ何年来、Jリーグの関係者、技術委員会、強化担当者と話してきました。

皆さんご存知のように、かつてはサテライトリーグを行っていましたが、それも年間8~10試合程度で、定期的に行われたものではありませんでした。そんな中で、ワールドユース、20歳以下の大会は3大会連続で出場できていません。

先週までU-22日本代表がオマーンに行っていました。日本はリオを目指して20歳以下で出場しましたが、イラクに負けてしまいました。その際のU-22イラク代表には、既に去年日本代表と戦ったメンバーが5、6人いました。イラク代表経験者は10人以上いましたが、我々の20歳以下で編成した代表チームを見ると、残念ながらJ1で後半から少し出るとか、J2で少し試合に出ている、あるいはJ1でメンバーに入るかどうかという選手が大半、これが現実です。その中で、能力はイラクの選手に負けていないものがJリーグの選手にあると思います。この若い世代をどうやって鍛えるかを色々考えた上で、J3が出来るこのタイミングでここに参加させてもらって、若い選手が少しでも多く実践経験を積んで欲しいと。

今年からここに21歳以下の、U-22と言っていますが、今年は21歳以下で編成する予定です。それはなぜかと言うと、2016年のリオのメンバーになれる人を積極的に使っていきたいからです。
簡単に言うとJ1・J2で週末のメンバーに入らなかった中で最も強いと思われるメンバーを選んで、例えばJ3が日曜日にあるので金曜日の段階で各クラブと連絡を取ってそこで(クラブのメンバー登録に)入っていない選手の中からベストと思われるメンバーを集める。そして試合が終わったらクラブに合流するという形です。これは世界のどこもやっていないシステムだと思います。

日本のサッカーを考えた時に、若い選手が出来るだけ早く実践を積んで欲しい。J3リーグで活躍して、当然所属クラブで試合に出るようになって欲しい。そうしたらまたその次に可能性がある選手を使っていきたいと思っています。とにかく、リオを目指すということは勿論ですが、若い選手の選手の成長を今まで3年かかったのを1年くらいで実戦を積ませてより高くもっていきたい。それだけの力が若い選手にはあります。

例えばこの前の高校選手権に出場した小屋松選手は今年名古屋に入りますが、1年目から18人の登録メンバーに入って試合に出られるかというと、もしかしたら難しいかもしれない。もしそういう選手がメンバーに入っていなければすぐこちらに呼んで、毎週沖縄に行ったり秋田に行ったりして試合をさせてクラブに戻す。クラブとは当然連絡を取りあって、彼がどういう風に成長しているかを話し合います。

そのために協会もJリーグと一緒になって若い選手を育てる。これがJリーグ・アンダー22選抜の狙いです。J3の中で地方クラブと真剣勝負をして、厳しい環境で若い選手が出来るだけ早く伸びるようなチームにしたい。順番で出るという場所ではない。我々は機会は与えるので、後は選手が機会を出来るだけ早くつかんで所属クラブでレギュラーになって欲しいと思います。おそらくJ3の各クラブも全力で私たちに対戦してきてくれると思うので、楽しみにしています

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